会長挨拶

1992年に発足したカンボジア日本商工会議所も、正会員176社と準会員56社、これに特別会員6団体の併せて合計232社・6団体と急増し、まるで昨年12月のAEC発足を前後してさらにピッチを上げたカンボジアのASEANに於ける立ち位置、成長をなぞるかのようにプレゼンスを高めるに至っております。カンボジア在住日本人も在留届ベースで2500人(実際には5000人近く)を越えましたが、皆様実にさまざまな経緯や動機でいらっしゃっています。内戦復興のお手伝いと理念に燃えていらした方々、アジア各地を放浪され摩訶不思議な当国の魅力の虜となって根付かれた方々、開発途上国のダイナミズムとその潜在性にかけて一旗上げる事を目論んでいらっしゃる方々、投資機会を逃がさじと進出された企業の一員の方々等、その活動範囲も多岐に渡ります。

激変するカンボジアの国情と、さまざまな日本の方々が進出している環境下、当商工会はその基本的行動原理を経済活動とし、決して少なくない税を両国で納めている企業の皆様を通じて、日本とカンボジアの相互的な経済活動の活性化を目的に運営しております。

日本からの進出企業に活動する場と機会を提供してくれているカンボジアに対して、当地社会への貢献を果たす事は我々の義務であり、そのために各企業が常に高いコンプライアンスと環境問題等のモラルを意識することはもとより、あらゆる経済活動において透明性を維持し、説明責任を持つことも当然であると考えております。

そしてその原点はカンボジアの方々との友情を育む事であり、活動範囲が経済活動に限定されることなく、教育・文化・福祉といった、カンボジア社会全体を押し上げていく分野でも協力していくことができれば、それが我々の存在意義を確立することにもつながっていくのではないでしょうか。

日本人、日本の企業であるという事は、日本政府が向かっている取り組みと足並みを揃えて行く事が重要であり、それには第二次世界大戦後に日本が本当の意味で国際政治への復帰が叶った、その舞台であるカンボジアを意識する必要があります。1980年代後半からカンボジア和平に国際社会が携わり、その中で日本が主体的に担い、日本らしい多角的・多面的な貢献を認知されてきた取り組みの襷は、これからも途切れることなくしっかりと、後世に繋いで行かなければなりません。

「リハビリテーションからリコンストラクションへ」とよく言われますが、日本サイドでの官民一体の協調無くしてカンボジア官民との一体化は果たせません。

我々の経済活動の発展を通じてどのような社会的義務が果たせるのか、当商工会は先達からの襷をしっかり受取り、在カンボジア日本国大使館、JICAカンボジア事務所、JETROプノンペン事務所、日本人会、政府カンボジア開発評議会と連動・連携しながら取り組んでいきたいと考えます。

2016年9月 カンボジア日本人商工会会長 有井 淳